すべての人のウェルネスを願って日本で開発された、ヒーリングシステム CS60

2021/05/27

Newsletter Vol.113

CS60ニュースレター CS60フランチャイズ 田畑浩良さん(第3回)

ロルファーの田畑浩良さんは、CS60のセッションのときに、痛みを感じないよう注意を払っているそうです。ロルフィングの技法を組み合わせ、相手に受けれてもらう体勢を作ってもらうという田畑さんの方法について伺いました。

―施術のときに気を付けていることはありますか?

田畑:クライアントの中には圧力に敏感な方がいるので、いきなり当てることはしません。人によっては金属を当てられることに抵抗がある方もいらっしゃいます。中医学の考え方では、肺が比較的弱い肺虚(はいきょ)と呼ばれている証の方々がいます。そういう方は、皮膚が敏感で圧力に対する感受性が強いのです。およそ1/5の方々は、すごく強い圧力には弱いので、注意深く施術しなければなりません。

―5人に1人が圧力に弱いのですか。意外と多いのですね。

田畑:他にも関節リウマチの方や妊娠している方、骨粗鬆症の方には非常に注意しています。使ったとしても軽い圧力に留めていますね。体が警戒してしまうと、いろいろな入力を受け入れられなくなってしまうので。

―体がこわばってしまうのですね。

田畑:抵抗があるうちは、いろいろなものを受け取りにくくなります。ロルフィングで働きかけ、体のシステムが受け入れ可能になったときにアプローチしたほうが効果的だろうと思っています。

―「体のシステムを受け入れ可能にする」とは、どのようにするのですか?

田畑:自分の場合はまず立ち位置から注意を払います。

―お互いの立ち位置ですか?

田畑:はい。どの位置がお互いにとって一番楽かという組み合わせから確認します。体にはいろいろなヒストリーがあります。例えば虐待していた親がいつも右側に立っていた場合は、右側に対する警戒心が強かったり、逆に感覚をオフにしていたり、空間認知がひずみを持っている場合があるのです。そういうところも含めて、お互いに抵抗のないところに位置するというのが重要です。

―面白いですね。会話で探っていくのですか?

田畑:会話したり、もう少し視覚にたよらず原初的な、社会生物学的に安全な位置関係から入っていくのが大切だと思っています。先ほど言った「イールド」という手法もロルフィングに組み入れています。ロルフィングは古典的なやり方では痛いのです。自分も痛いのが得意ではないので、「自分が受けたいと思うようなワークをしたい」と15年かけて作っていったのがイールドです。

―「イールド」の考え方はCS60にも応用できるような気がします。いかがですか?

田畑:いろいろなやり方にプラグインできるはずです。

―そうすると痛みに対するアプローチも変わってきますね。

田畑:痛みに敏感な方に対するアプローチとしては、イールドはとっかかりになるかもしれません。ロルフィングのセッションでは、触れることもあるし触れないこともあります。見守るだけのセッションもあります。反応性の良い方は、安全な場をつくるだけで黙って間をとっているだけでも変化が生まれるのです。

―ロルフィングの基本の「10のレシピ」をベースに、いろいろとアレンジされているのですね。

田畑:ロルフ博士の考えた「10のレシピ」は、あくまでもレシピなので素材がかわれば違う味付けになります。ロルフィングはロルファーによってさまざまな解釈ができるので。いろいろなテクニックをとりこんで、自分のロルフィングを作っていけるのが魅力です。創始者も「自由にやっていきなさい」というスタイルです。西村先生も「いろいろなやりかたがあっていい」とおっしゃられているので、それもCS60の魅力なのではないかなと思います。

―これまでロルフィングについて伺ってきました。簡単にセッションの流れをご説明いただいてもよいですか?

田畑:わかりました。まず部屋の端から端まで歩くところを観察します。どこか痛いところや違和感のあるところはありますか?

―肩が痛いです。

田畑:なるほど。腕を上げてもらって、可動域を確認します。
次に、抵抗のない立ち位置を探すところから始めます。
まずあおむけでベッドに寝てください。
かるく目をつぶって、こちらの気配を感じていただきます。
ベッドの右側、左側、交互に立ちます。
どちらか気になるところはありますか?

―右側に立たれるとなぜか緊張して、気になってしまいます。

田畑:左側は抵抗がないわけですね。逆に右側に立つと、体としては受け入れ可能ではないわけです。では、ベッドに全身を預けてください。

―はい。だんだん力が抜けていきます。無意識に力が入っていたことがわかりますね。

田畑:「体を預ける」という行為がイールドなのです。そうすると呼吸の入り方も深くなります。足場を見つけると体を預けるという性質が細胞にもあって、足場が増えていきます。いまはどんな感じですか?

―呼吸が深くなってきました。

田畑:不安や恐怖、過度なストレスは呼吸を浅くします。呼吸は1日に2万回以上繰り返されますから、小さな変化は、やがて大きな変化となって身体に表れます。ゆっくり呼吸をしてください。
……また右側に立ちます。今度はどうですか?

―さきほどよりは抵抗が薄くなっています。

田畑:呼吸がさっきより落ち着いていますね。
自分の頭の重さに気がついてください。
……いま起こっている変化はありますか? 
それを観察してください。
余分なエネルギーが出て行くときにいろいろな感覚があります。

―左足がジンジンします。

田畑:他にお気づきになったことはありますか?

―何も触れられていないのに、足がビリビリして痛いです。
(しばらくして)収まりました。

田畑:何か滞っていた余分なエネルギーがあったかもしれませんね。
これがロルフィングで働きかける前の入り口のところですね。
いま右側に立つといかがですか?

―平気です。

田畑:システムが受け入れ可能になった状態ですね。この「イールド」を丁寧にしていっても一つのセッションとして成り立つのですけれど、シリーズの中に組みこむともっと短い時間でこの状況がつくれるようになります。

―10回1セットが基本のシリーズでしたよね。

田畑:そうです。10回に分けてワークすることにより、身体をゆっくりと本来持つべきバランスへと導いていきます。今回は呼吸によって調和が得られましたが、肩周りが少し取り残されている感じがありますので、そこにCS60を当てていきましょう。(CS60を肩の周りで回転させ、スッと離れていく)

―ほとんど触れていないのに、CS60と繋がりがあって、何か引き出されているような感覚があります。

田畑:CS60の一つのふれかたとして、こするのではなく、触れるか触れないかのところでとどまっているだけでも、腕が広がってくる反応が得られます。

―まったく痛みがないですし、こんなに優しいCS60の施術は初めてです(笑)。

田畑:受け手の方次第ですが。今のようなセッションをゆっくり積み重ねていけば、深く強く施術しても受け入れ可能になります。

―痛みに敏感な方には、こういったアプローチもできるのですね。CS60の新しい可能性、新しい世界が見えました。ありがとうございます。

(おわり)

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